灼熱の風。

JFEスチール東日本製鉄所千葉地区

■情熱の一時

毎年夏の時期になると、各工場が主に地元を対象とした見学会やイベントを幾つも開催している。
去年も何度と足を運んだ製鉄所関係は特に豊富で、今年も色々な相手と一緒に黄金色に染まった鋼板が薄く引き延ばされていく過程を数100メートルに渡って歩きながら間近に体験する機会に恵まれる。
工場に惹かれる馴染みの顔触れ男性3人女性2人で訪れたJFEスチール東日本製鉄所ではいつ足を踏み入れても圧倒される第3熱間圧延工場で、男性2人女性2人で敷地内を散策した新日鐵君津製鉄所では独得の雰囲気を纏う重厚感溢れた厚板工場で、1000℃を超える高温の鋼板が壮大な音と熱気を伴って凄い勢いで行き来する様子を、それぞれの個性と共に全身で強く受け止める。
製鉄所内の作業に就いての詳しい解説を学生達に混ざりながらも丁寧に聴かせていただいた後、君津では遊覧船に揺られながら千葉港近辺までの長閑な航海を賑やかな家族連れに囲まれてゆっくりと楽しむ。
そうして、また1年後の再訪を胸に誓いながら、気が付けば瞬く間に過ぎ行く魅力的な時間は子供達の笑顔と共に穏やかに終りを告げた。

(写真/夏の日差しに烟る溶鉱炉)