《冬のコンビナート巡り》/1

鹿島臨海工業地帯

■コンビナート・クリスマス

聖夜を寸前に迎えたある日、(先日、参加者数が2000名を越えた)工場コミュニティとこの工場blogの読者さんを合わせた総勢7名でのコンビナート巡りが急遽決まる。
8月には《京葉工業地域》10月には《京浜工業地帯》と、この工場blogやコミュニティでコンビナートの形作る景観の魅力に興味を持って下さった老若男女幅広い御相手の中から、穏やかで積極的なコミュニケーションを好まれる方数名と御一緒させて頂いて来たこのコンビナート巡り、今回の目的地は前2回より少し足を伸ばして《鹿島臨海工業地帯》へと向かう事に。
今までよりも多彩な場所から参加者が集まる事となったこのイベントは、当日早朝から東京/川崎/宇都宮と各々違う場所で一旦少人数の待ち合わせをしてから現地集合する形となる。
身を切るような潮風が辺りを漂う鹿島港で昼前に無事合流し、早速目指したのは、以前にもここで紹介した鹿島臨海工業地帯を一望出来る場所。
入り江を挟んで両岸に広がる赤銅色の住友金属と真っ白く輝く化学コンビナートの描く相変わらず素晴らしいコントラストを、冬を感じさせる凛とした空気の中で半年振りに見下ろす。
続いて、下へ降りた後は2台の車に分乗し、各々先程眺めた景観を元に自分好みの風景を散策して回る長閑な時間となる。
化学コンビナートの中を真っ直ぐと伸びる道を、所々で上を跨ぐ様々なパイプの束を潜りながら、両側に連なる鉄塔の群れと平行しながら走っていると、徐々に凄く贅沢を味わう様な気持ちが込み上げてくる。
そうして、釣り人で賑わう海岸や雑草生い茂る空き地毎に足を止めてプラントを仰ぎ見て歩いている内に次の予定時刻が瞬く間に訪れ、Y字型に彫り込まれた海上輸送基地を眺められる船の待つ場所へと急いだ。 【続く】

(写真/真っ赤に染め上がる住友金属鹿島製鉄所)