短いようでいて長かった徒歩小旅行の終わり。/④

wami2004-11-08

■照明にマダラに照らされて闇に浮かぶ幻想的な工場もいいが、金属の肌を朝日に照らされ鈍く輝いた姿にも萌える

などと暫く工場に魅入られながら考えていると、日の出と同時に空気が一変、夢のような時間が過ぎて現実の日常が戻ってきた事を告げる。
町が目覚め血が通い始めたような心地良いおだやかな活気に今一度名残惜しむように身をゆだねた後、早朝からまばらに職場へ集まってくる人達とすれ違いながら1人帰路へつく。
途中、残業で職場に泊まっていた後輩から電話が掛かってきたので今から戻る事を伝えながら「少しは気に入る写真の1枚でも撮れているといいな…」と呑気に歩いていると、とうとう浮島町の工場地帯から離れ小島町へと続く橋に差し掛かる。
出勤する人の群れの中を逆行しながら振り返った眼に飛び込んできた、ゆるやかに操業を再開した力強い町の様子に、また機会を見てここに戻って来ようと胸の内で熱く誓った。


(写真/浮島町からの帰りに振り返って川崎工場地帯を望む)