まだ当分治りそうもない工場好きの病。

■帰って最初に行うのは、興奮と緊張の写真選別

以前に千鳥町へ一緒した一眼デジカメ使いの工場好きさんは、モチーフに1番合っていると自分で確信した構図で数回シャッターを切った後はもうひたすらに車で寝ているという侍のような撮影スタイルだったのですが、さすがにカメラ素人の自分は古来よりの「下手な鉄砲も数撃てば当たる」方式を導入するしかなく、今回の川崎撮影でも少しずつ設定や角度を変えながら撮りまくりました。(それでも300枚程ですが…。)
垂直のズレている程度の物はまだしも、数多のピンボケや露出の失敗写真はさすがにExifデータを参考にした後はどうにも使えません。
それらを外した後、1枚1枚画像修整ソフトで垂直を直しフレームを整えて最低限見られるように手を加えます。
それでも、機械の作動音が重低音で絶えず流れる360度展望の場所から戻って来た直後は、やはり頭の中に焼き付き壮大に膨れ上がった元のイメージに見劣りしてしまうので、どうしてもディスプレイの中に小さく納まった画像には中々満足出来ないのですが、現場での興奮が収まってしばらく経ってから見直してみると、撮影当時の状況を色々と熱く思い出し、また何処かの魅力的な工場へ出掛けてみたい気持ちに駆られるのです。
そうして、まだまだ駆け出しの未熟者ながらいつか必ず極めつけの1枚を撮れると信じイメージ(妄想)を膨らませ、今日もまた見知らぬ工場への憧憬がふつふつと湧き上がってくるのを感じているのでした。


(写真/夜明けの浮島町にて)