光を仰ぐ世界。【番外編:巨大施設見学①】

第四立坑

■地下王宮へ

人の為に陰で働く機械が好きな自分にとって、工場と同じく気になる対象として様々な巨大施設がある。
特に、都市の大掛かりな機能を守る為に地下へと建設される様々な巨大建造物には強く惹かれるので、時々誰か知り合いと一緒して見学へ訪れてみる。
最初に足を踏み入れたのは、その系統の施設としては最も有名な《首都圏外郭放水路*1
ここが何の為の施設かと云うと、大雨が降って中川や倉松川、大落古利根川と云った河川の水位が急に上がり洪水となる可能性が出てきた時に、その余剰分を全て巨大な地下道へと流して一級河川である江戸川まで運んでしまおうと云う目的で造られている。
そして、見学で立ち入らせて貰えるのは、各河川より水を引き込む『立坑』と呼ばれる巨大な縦穴と、その穴から落ちて来た水を一時溜めておく地下空間『調圧水槽』。
特に『調圧水槽』の威容は圧巻で、幅78メートル×長さ177メートル×高さ17メートルの広大な空間に長さ7メートル×幅2メートルもの柱が59本も並び、そのパルテノン神殿とも呼ばれる荘厳さに良く映画や特撮番組にも登場する施設でもある。
見学の最後に第四立坑から見上げる景色も素晴らしく、その丁寧なガイドと相俟って、是非再訪してみたい施設となった。

(写真/緊急時には水が全てを覆う調圧水槽)

*1:新日鐵君津製鉄所見学を御一緒したカメラマン西澤さんの撮られる素晴らしい写真満載なオフィシャル・サイトは必見。