「工場に萌える自分」に明確に気付いたのは高校の頃。


■工場に興味を持つ切っ掛けの1つに映画がある事は否めない

けれど、なら映画に出てくる工場のどんな所に若き日の自分が萌えたのかを掻い摘んで考えてみる。
たとえば、SF映画の定番である『ブレードランナー』や音楽コメディの傑作『ブルースブラザーズ』の冒頭空撮シーン。
何処までも細かく複雑なフォルム、不可解なまでに入り組んだダクト、絶えず吹き上がる蒸気、闇を照らすフレアスタック、鳴り響く轟音・・・。
油臭く自然にもまるで優しくない存在であり、一時期は健康を害する諸悪の根源的な扱いを受けていたが、それでも人が暮らしていく上で欠かせない膨大な量の産業製品を生み出す礎になる巨大な怪物。
多くの矛盾を孕んだ人間の肥大した本質が如実に表れて見える気がするのも魅力の1つかもしれない。
それとも、子供の頃に見上げた工場の、有無を言わさぬ力強さに憧れているだけなのだろうか。
そんな事を考えつつ、予定を立て休みを取り何処かの工場をのんびりと見物しに行きたいと今も考える。


ブレードランナー 最終版 [DVD]

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(写真/小島町にて)