工場的なモノ。

wami2005-06-22

■夢の残滓

4月末に茨城の廃工場へ行って以来、生き生きと稼動する現役プラントだけでなく、穏やかな時間の流れに身を任せ朽ちて行く機械にも、興味を惹かれるようになって来た気がする。
人の生活を支える為に存在していたのも今は昔、錆に侵された身体を力無く横たえる姿に、様々な想像力を強く刺激される。
誰からも必要とされなくなり、風雨に晒され変わり果てた姿となっても、彼等は物言わず唯々最期の時を待つ。
それが喩え大きくとも小さくとも、その流れ過ぎた時間を想う時、不思議な郷愁に胸を締め付けられる。
これからも、街を離れ色を失った時間が支配する空間で偶然出会えた時、きっと言い知れぬその感情が甦るだろう。
今後も変わらず訪れる、艶やかな機械の肌を凛と輝かせその姿を誇るように屹立するプラント群と共に、人知れず消え行く泡沫の姿にも忘れず時々は目を留めてみたいと思った。

(写真/廃変電所内に崩れ落ちたモノ達)