TECHNOSCAPEの夜

『工場ナイト2』

■工場イベント『工場ナイト2』

時に1人で時に大勢の方と港を歩きながら楽しんで来た工場鑑賞と云う趣味に就いて、その手解きとなる様なささやかな本を今年の3月に出させて頂いたのですが、萩原 雅紀さんのダム写真集と発売時期が重なった事もあり、事前に想像していた以上に多彩な方が興味を抱いて下さいました。
(嬉しい事に、団地鉄塔水門etc.と魅力溢れる建造物鑑賞本の出版が、今も途切れずに続いています。)

そして何より、このブログと共に拙著を読んで下さった皆さん、本当にありがとうございました。
工場に対する偏愛だけが詰まったこの様な本を手にとって下さり、心から感謝します。

この本が書店の片隅に並び初めて早数ヶ月、半年振りに『工場ナイト』を開催させていただく事になりました。
今回も御相手は、工場鑑賞ガイドでも文章をお願いした『住宅都市整理公団』『デイリーポータルZ』『熱中時間』の大山顕さん。
他にもゲストをお招きしながら、工場の魅力に就いて熱く語り合う一夜となる予定です。
日時は8月25日(土)、場所を歌舞伎町からガントリークレーンの並ぶ御台場へと移し、夕方16:00からのスタートとなります。
今回はローソンでの事前予約制となりますけれど、もし興味を抱いて下さる方が居られましたら、工場の景観に惹かれる大勢の方と御一緒に、潮風が流れる会場でお会い出来ます事を楽しみにお待ちしています。

■2007年08月25(土)
■開場 15:00 開演 16:00
■場所 「東京カルチャーカルチャー
 http://tcc.nifty.com/accessmap/
■1,500円(飲食別)
■チケットはローソンチケットでご購入ください【Lコード: 32178】定員100名(現在:80名の御予約を頂いています)
 http://www2.lawsonticket.com/
●詳しくはこちら↓
http://tcc.nifty.com/cs/catalog/tcc_schedule/catalog_070725151984_1.htm

ささやかで賑やかな旅路

JFEスチール東日本千葉地区

■人それぞれの想い

ここ暫く、カメラも持たずに誰かを案内して各地の工場を観に行く事が多くなっていたが、先日久し振りに大勢で港を歩く機会を得る。
昼過ぎに千葉から始めて、初対面の相手も大勢含みながら車三台に分乗しての工場巡り。
今年も何度と満喫した定番の千葉港巡りを皮切に南下、馴染みの場所を時間を掛けてゆっくりと眺めて行く。
個性豊かな相手と共に時間を過ごす賑やかな港巡りが、1人気儘に行う工場鑑賞と異なる最も大きな点は、工場に興味を抱きながらもやはりそれぞれに惹かれる視点が全く違うと云う事実と改めて新鮮な気持ちで触れられる事。
車と云う密室での長距離移動の為もあり、開始数時間で既に伸び伸びと打ち解け合いつつ、各々が過去に過ごして来た工場体験を交互に語り合いながら時間は進む。
そうして、ある時は船上で周囲を取り囲む水鳥相手に戯れ、ある時は丘の上に広がる公園で犬と触れ合い、ある時は港で釣り人達と言葉を交わしながら、工場の姿を追い続ける小さな旅は続く。
途中で一旦海ほたるへ寄って軽く休息を取り、京葉工業地域を離れた後はそのまま京浜工業地帯へと入り、徐々に暮れ行く夏空の下、全く異なる魅力を眼前に広がる風景に感じながら直走る。
ここ数年大幅な改築を行っていたが、映画やドラマ等に度々登場して川崎港のランドスケープに欠かせない要素となっていた川崎火力発電所の煙突が6本中3本までが既に解体されていたりと、生き物の様に成長し変化する景観をその都度静かに心へ刻む。
やがて、ベイブリッジを越えて湾岸線を横浜方面へと向かい、所々で出会う石油化学プラントの姿に溜息を零す10数名での港散策は、いつも通りの場所で終わりを迎える。
東京湾を縦横と駆け抜けた先に辿り着いた、何度目か数え切れない程に訪れている港で笑顔の再会を誓い合い、長閑にも充実した楽しい時間は、夜更けと共に一先ずの区切りとなった。

(写真/灯りに浮き上がる鉄骨と配管)

ロシア・アヴァンギャルド。

コンビナートTシャツ

■コンビナートTシャツ

先週末に新宿ロフトプラスワンにて開催させていただいたイベント『工場ナイト』へお越し下さった皆さん、本当にありがとうございました。
多数のゲストをお招きして工場鑑賞の魅力に就いて語る3時間となりましたけれど、御来場下さった大勢の皆さんの御陰でこちらもとても楽しい一夜を過ごさせていただきました。
会場では多くの方と工場の見せる豊かな表情に惹かれる気持ちを交させていただきましたが、これからも様々な機会に工場の美しさ面白さ力強さ儚さに就いて言葉を聞かせていただけましたらと思います。
今回、ゲストの御1人である小林さんが会場で販売され瞬く間に完売した《コンビナートTシャツ》、多くの方の御要望を受け、明日までの限定として通販と云う形で復活する事になりました。
更に14色とバリエーションも豊かになったこの《コンビナートTシャツ》、月末に予定している京浜工業地帯での工場見学では既に大勢の方がお揃いで着て行こうと盛り上がっていますけれど、(mixi内ではありますが)もし御興味を持たれましたら以下のページにアクセスして申し込まれては如何でしょうか。
http://mixi.jp/view_diary.pl?id=372344998&owner_id=2188672&comment_count=46
少し余裕が出来る来月からまた時間を見付けては何度と港へプラントを眺めに通う予定としていますので、今後も時に1人で時に賑やかに出会った工場の姿を綴って行ければと思います。

(賑やかに並んだ14色。コンビナートに華咲くTシャツ)

石井哲+大山顕PRESENTS 『工場ナイト』 新宿ロフトプラスワン/2007年3月9日 

先日、銀座で開催させていただいた工場展『Industrial Park』へ、寸前での告知にも拘らずお越し下さり本当にありがとうございました。
泊まり込みが続く職場を慌ただしく抜け出して、展示最終日である17日に1時間だけ会場のギャラリー覚さんへ伺ったのですけれど、とても沢山の方と終始賑やかに工場に就いて楽しい御話をさせていただけ、こちらにとって掛け替えのない凄く貴重な体験となりました。
工場映像DVDの音楽を担当して下さった和乃弦さんと先月の年明け直ぐに行わせていただいた《工場と音楽の夕べ》、今月半ばに2週間に渡って開催させていただいた工場展『Industrial Park』、そのどちらでも工場の溢れ出る魅力に想いを馳せながら多くの方々と言葉を交させていただけて心から感謝します。
そして今回、工場鑑賞ガイド『工場萌え』の出版を記念して、3月9日に新宿ロフトプラスワンでイベントをさせていただく事になりました。
初めての相手と訪れた実際の工場鑑賞の様子や、工場の景観が何故多くの人の心を惹き付けるのかと云う事に就いて、大山顕さんと共に大学講師の方等をお迎えして皆さんと語り合う「冬の工場イベント」最後を締め括る一夜・・・、宜しければ工場の素晴らしさに心奪われた方と少しでも多く一期一会の時間を過ごさせていただけます事を楽しみにお待ちしています。

■『工場ナイト』
【日時】2007年3月9日(金) 18:30 会場 19:30開演
【料金】1000円(飲食別) *チケットは全て当日券です。会場でお買い求めください。
【場所】新宿ロフトプラスワン地図

工場を緩やかに愛でる本とイベント。

wami2007-02-28

■工場鑑賞ガイド『工場萌え』

工場が魅せる豊かな表情に就いて少しでも多くの方と気持ちを共有出来ればと日々長閑にこのブログを綴って来たのですが、様々と在る工場を楽しむ方法の1つである《工場鑑賞》に就いての1冊が、多彩に輝く工場の姿を巻頭に収めて来月出版される事になりました。
タイトルは、今回も素直に『工場萌え』。
この工場ブログを始めて以降も沢山の御相手と各地の工場を観て歩いて来たのですが、昨年最も多く臨海工業地帯を御一緒した(デイリーポータルZでお馴染みの)住宅都市整理公団総裁/大山顕さんとの共著になります。
時に車で大勢と賑やかに、時にバスや鉄道で静かに眺めて過ごした数々の素晴らしい景観・・・、日常の脇でいつも佇んでいるその姿を写真と文章で綴った初心者向け工場鑑賞ガイド。
もしも、これから工場の魅力の一端に触れてみたいと思われている方、宜しければ気が向かれました時にでも書店で手に取っていただけましたら嬉しく思います。

因みに、発売元は東京書籍さん、発売日は来週の火曜日となる2007年3月6日に決まりました。

気の合う誰かと工業地帯を一望出来る公園で過ごしたり、1人で気侭に潮風の向こうに立つ溶鉱炉を見詰めながら休日を過ごしたくなりました時は、大山顕さんのゆるやかな文章を心の片隅に、是非そのささやかな切っ掛けにしていただけましたら幸いです。

■工場鑑賞ガイド『工場萌え』
http://www.bk1.co.jp/product/2743207/?partnerid=50dt01

石井哲/工場展『Industrial Park』

開催日:2007/2/5(mon)〜2/17(sat)
場所:銀座【ギャラリー覚
   東京都中央区銀座2-8-17 中川ビル3F http://www6.ocn.ne.jp/~g.kaku/tizu.htm
時間:12:00 - 20:00  最終日16:00まで

Industrial Park
■工業地帯を訪れて初めて間近にプラント群を仰ぎ見た時、無駄を極限まで省いたその巨大な建造物が音と光と匂いを伴って伝えて来る圧倒的な存在感を前にし、日々ささやかに繰り返し過ぎていた自らの生活が陰でどの様な存在に支えられ続けていたのかと云う事実を、只、理解する。
それ以来、様々な港や、山や、街の片隅で、個性を競うように立ち並ぶ工場の姿を追い求め、何時しか、その溢れ出る力強さと、神経を張り詰めた如き繊細さを切り取って、少しずつ積み重ねるように心へ残す日々が始まる。
規模と生産性と安全性に特化し機能だけを追求した結果、鉄骨は増殖する様に組上げられ、配管は極端にねじ曲げられ、蒸留塔は背を競うように林立し、タンクは曲線を変えながら立ち並ぶ。広大な埋め立て地に建つ全てが必要によってのみ成り立つ空間、資源の乏しいこの国を維持する為に欠かせない大量の産業製品を生み出し続ける場所。
季節や天候により彩りを変えるその姿を、殆どの人に顧みられないままに生まれ朽ち果てるその存在を、たとえ僅かでも誰かの心に残して行く為に、これからも様々な機会にその全てを記して行くだろう。

週末の街で工場と過ごせば。

工場展『Industrial Park』

■工場展『Industrial Park』

先月、工場DVDに於いて印象的な音楽を付けて下さった和乃弦さんと開催した渋谷でのイベントへ、年明け直ぐの慌ただしい時期にも拘らず大勢の方に遊びに来て頂き本当にありがとうございました。
工場の姿が御自身の中に絶えず映り残っている理由を探している方、地元の街を工場から盛り上げようとされている方、馴染み深い企業の工場見学を通じて更に魅力を掘り下げようとされている方、工場側と市民側との気持ちの距離を縮めようと奔走されている方…、工場の見せる風景の素晴らしさに就いて少しでも多くの方と言葉を交す事が叶えばと普段より思っていましたので、2日間に渡り個性豊かな方々より様々な工場の話題を終日聞かせていただけて、忘れ得ぬとても嬉しい時間を過ごさせていただきました。
その後、泊まり込み仕事の合間に幾つか平行して工場関係の打ち合せを重ねて来たのですけれど、その中の1つであるプラント写真を中心にした個展を明日の夕方まで銀座にて開催させていただいています。
日常の中で全く工場を振り返る事のない人が初めてゆっくりと工場の姿を目にした時、果してどう云った感情を抱くのだろうかと考えて先週より行わせていただいているのですけれど、今週末もし近くへお越し下さる予定のある方が居られましたら、是非気軽にお立ち寄り願えましたら幸いです。